FF8小説

こっちはギャグではない作品を取り扱います。投稿作品も募集!!こちら


作 マニアさん

青空

作 モルボルさん

アルティミシアがいなくなった後

作 ZEROさん

From My Heart

作 あっきぃさん

短歌 Blue Sky :byラグナ 僕と君は運命共同体 ふたりでいれば…Byリノア

作 すみた・レオンハートさん

リノアがいたから…

作 ユイさん

セルフィバンド〜慕う心を音楽にして〜

作 minaさん

The story after FF8 あるSeeDの1日

作 浩二さん

初めて知った自分の気持ち

作 ティアマト&レンザさん

悪魔からのしらせ −part 1−

作 月神蒼海さん

ずっと二人で・・・・ 放たれた閃光

作 鈴木 英昌さん

こんなのもあり?new!

作 管理人

親父の想い 息子の想い アーヴァインの想い


青空

作 マニア

スコール「ここは…何処だ?」

太陽の光さえも届かない、暗黒の世界。
地面はひび割れ、今にも崩れそうだ。
辺り一面は広大な砂漠のようにひび割れた大地が広がる…。
「…俺は…また1人なのか…?」
いままでいてくれた仲間達がいない…。
俺は…また…1人。
(エルお姉ちゃん)
(僕、1人で頑張るよ。なんでも1人でできる人間になる…。)
なんでも1人でできる人間…。
あの時はそうできると思っていた。
あの時はまわりに誰もいなくても頑張れると思っていた。
だけど…。

今は違う…大切な仲間がいてこそ今までがあったんだ。
大切な仲間がいてこそ時間圧縮にも耐えきれたんだ。
お互いが信じていたから…。
「ザッ!」
広大な大地に足を踏み入れる。
この世界が無限に広がっていたとしても必ず終わりがある。
あの暗雲の向こうにはきっと青空が広がっている。
そう信じるしか無かった…。
リノア達が俺を信じてくれているから…。
俺は一歩ずつ歩き始めた。
たとえ1歩が30センチ程度でも…それ以下でも。
少しずつ、そして確実に進んでいる。
ゴールへ…。

ゴール…いつしか誰かが言っていた言葉だ…。
(サイファー:戦闘が終われば確実にゴールが近づくだろ?)
あの時は…
(悪いな、そういう話ならパスだ。)
簡単に終わらした。
ロマンティックな夢は俺にもあるのかな?
リノアや他のみんなはあるだろうな…。
俺には…あるのか?
(リノア:貴方が一番かっこいいね。踊りましょう?)
…リノア。
俺の………。
(ゼル:ちょっとは俺みたいな熱いハートを持ったらどうだよ?)
熱いハート…か。
確かに俺のハート少し冷たかったな。
(キスティス:誰だって独りで生きてるわけじゃないんだから。)
俺は他人の荷物を持つのは嫌いだから…。
一方的に言うだけなら壁にでも話しておけばいい。
そういう考えに疑問を持ちだしたのは…あの時から…。
(まだ間に合う。…だから来た。後悔したくない。)
……。
(アーヴァイン:セフィ、行っくよ〜。)
アーヴァイン…最初はキザで自信過剰な奴というのが第1印象だった。
魔女暗殺指令の時もだったな…。
けど本当はプレッシャーを抑えているだけだった。
今もそんな感じだな…。

スコール「!」
崖っぷちにぶつかる。
ここで終わりなのか?
次元の狭間はここで終わりなのか?
(イデア:あなたの戦いを終わらせなさい。)
そうだ、俺は終わらせなくてはならない。こんな所で諦めてはならない。
この長い戦いを…終わらせなくては。
スコール「リノア!何処だ?返事をしてくれ!」
…いつもなら返ってくる返事が来ない。
(俺、おまえの声が聞きたい…。)
(変わったな…俺。)

振り向くと広大な大地は絶海の孤島へと変わっていた。
俺のまわりに違う次元が入ってこようとする。
もう、あの世界には帰れないのか…?
もうリノア達にも会えないのか?
そう思ったとたんに、俺の目から一粒の涙が流れた。
いままでの仲間の顔が走馬灯のように俺の頭の中を横切ってゆく。
(リノア:未来なんか欲しくない。今が…ずっと続いて欲しい。)
(セルフィ:あんたみたいな無関心オトコに励まされるなんて意外〜。)
(ラグナ:スゲエ勇気だぜ。こんなとこから…よく飛ぶよな〜。)
(サイファー:群れて襲いかかるモンスター。そりゃ、おまえたちだ。)
(シド:これでガンブレードのSeeDですね。)
(リノア:今のうれしい!ウソでもうれしい!)
………。
急に俺の体が軽くなる。
まるで白い羽がついたみたいだ。
俺の目線は地面から暗雲へ、そして目の前が真っ暗になった…。

「ポツ…。」
俺の頬に水滴が落ちるのを感じた。
(スコール:…俺は…生きているのか?)
そっと目を開けてみる…。
俺が見たのは暗黒の世界ではなく、青空が広がる光の世界だった。
リノアの顔が微笑む。

スコール「…こ、ここは…。」
リノア「イデアの家よ。2人で約束したでしょ?離ればなれになったらまたこの花畑で会おうって。」
スコール「…約束の地か。」
俺は忘れていたのかもしれない。
(それは会うところを決めてなかったからだ。)
前のリノアの夢と同じように…。
(リノア:じゃあここにしよう。この花畑。)
今度は俺が忘れていたんだ。
(ああ、そうしよう。)
(リノア:うん。)
スコール「もう忘れないよ。」

スコールとリノアの手には白い羽が握られていた…。


アルティミシアがいなくなった後

作 モルボル

スコール:オレは今もまだバラムガーデンにいるゼルもセルフィもみんな。
ゼル:おい!スコール授業始まるぜ!
スコール:みんないいやつだ。皆。
セルフィ:早くしなきゃ。
スコール:ふふ。あいつも変わらないな。
キスティス:何してるの!早くしなさい。
スコール:はっはい。(やっぱりいい先生だ。)

スコール:今の俺は、すべてが変化していた。心も愛も。人に対する言葉づかいも。
セルフィ:何考えてるの?スコール。
スコール:俺がせめてもの、いい奴に..。

   そうだ!

スコール:俺..俺..ムードメーカーになる。
セルフィ:え?ムードメーカー?
スコール:きっ聞いてたのか?
セルフィ:ウン。
スコール:なら話が早い。ちょっと耳かしてくれないか。
セルフィ:そうだ!その前に、ムードメーカーって何?
スコール:ムードメーカー?つまり、周りの空気をなごましてくれるリーダー的存在の人?
セルフィ:スコールにあってるじゃん。
キスティス:スコールぅ最近考え事ばかりじゃない?
スコール:いゃぁ。

そして……

俺は。アルティミシアの復活がないよう
世界が崩壊することの無いように、がんばっていくのか..


From My Heart

作 ZERO

本当に知らなかったんだ。
自分が養子であったこと、ホントはいつもあいつらと一緒にいたこと。
楽しすぎたから?そうかもしれないし、違うかもしれない。
愛されていた事は本当で、血の繋がりはウソで。だけどそれでも良かった。
この場所は、あいつらのそばだった。

運命の引力?そうかもしれないね。
こんなこと言ったら、「エンドオブハート」をお見舞いされるのかな。


                       1

「スコール!スコール・レオンハート!」
教官の大声に思わず俺は振り返った。

なんだか懐かしい響きに、俺の身体が勝手に反応した。うん、そんなカンジ。
振り返ると、目にかかりそうな長さの栗色の髪を揺らして、一人が振り返ったところだった。
白い肌、切れ長の瞳、笑わない口元。
なんだか懐かしくて、だけどどこで出会ったのかちっとも思い出せなくて、俺は少しだけイラついた。
意地でも思い出せば良かったと後悔することになるのは、もう少し後の事になる。


                       2

うひゃー、美人。
これが本当に俺より一つ年上ってだけの人かなぁ。
なんて言ったっけ、この教官。

あぁそうだ。キスティス、キスティス・トゥリープだ。
あいてっ!分かったから殴るなよ、いてーなぁ。
え?トゥリープ様FC会員だって?
だから悪かったってば。もう忘れねーよ


                       3

「ねーねー、今日の学食のパン、ゲットできたー?」
ピョンピョン飛びはねながら、外巻きの髪を揺らして会話してるやつがいた。

見かけない顔だな。転入生か?
ったく、今日はSeeD試験だから緊張してるやつが多いってのにずいぶんにぎやかだなぁ。
やっぱり転入生だな。試験までまだ時間がある候補生なんだろうな。
でも…。こいつのいる周りの空気、和んでるぜ。
「ねーねー、パンに名前つけようよぉ。マボロシパンなんてどうかなぁ」
おっ、そいつはいいねぇ。


                        4

なんだこの野郎。ヘラヘラしてるうえに、スカしやがって。
しかも女好きそうだな。
俺はこーゆーヤツは気にいらねぇ。

「おい、スコール。カギ、開けなくていいからな」
それにしたって何なんだよ。時折意味深な眼差しで俺たちのこと見てやがる。
俺や、スコール、セルフィ、キスティス先生のこと。
何か知ってるのか?


                         5

「それでも自分たちで選んできたって思いたい」
スカし野郎…アーヴァインの言葉が頭の中で響く。

そうだな。
俺が「ディン」の家にもらわれてきた事はどうしようもない事だったとしても、SeeDになった事は俺の意思。
ママ先生と戦う事は避けられない事だったとしても、それに立ち向かうと決めたのは俺の意思。
だからここに立ってる。また巡り逢った仲間と一緒に。


                         6

いったいいつまで戦いつづければいいんだ?
ノドが渇く。足がふらつきそうになる。頭が重い。意識が揺らぐ。
これが「時間圧縮」の世界なのか?

声が聞こえない。
隣に立つヤツの存在が薄れそうになる。

『信じるんだ、お互いのこと』
ラグナの声がする。頭の中に戻ってくる。何度も。

『みんなは君の存在を信じてくれてるぞ』
そうなのか?スコール、セルフィ、キスティス先生、アーヴァイン、リノア。


誰かが自分の存在を信じて認識してくれるから、俺達は存在できる。
信じるのをやめた瞬間、すべては夢のように消えていくんだろうな

《信じる事》

それ以外に俺たちが助かる方法が無いなら、たとえ俺一人になっても信じつづけてみせる。
必ず生きて帰らなきゃな。
セルフィ命名の「マボロシパン」、腹いっぱい食べてないし。

やべ、俺、瀕死状態なのにガードが切れたぜ。
あ、「英雄の薬」だ。
サンキューな。
これでもう少し戦えそうだぜ。


                          7

「落ちないように、時間の狭間に」
キスティス先生…
「みんなで過去へ帰るんだよー」
セルフィ…

そうだ。
帰らなきゃ過去へ。
楽しい事がいっぱい待ってる時間へ。
俺達を待っててくれる人達がいる時間へ。
心を重ねて、
帰ろう…。


                          8

ったく、あんときゃどーなるかと思ったぜ。
スコールのヤツ、一人で時間間違えやがった。
みんなは大慌て、リノアは茫然自失。
まぁ、キスティス先生の一喝でリノアがスコールを探しに…じゃなかった、迎えに行ったんだけど。
約束の場所ねぇ。
確かにいいかもな。
すべてを無くしても、
すべてを忘れても、
これだけは譲れないって場所。
俺も誰かと持ちたいなぁ。なんてな。
ウソだよ、ウソ。

でも、もし。
約束の場所を持つなら俺はここにするぜ。
俺達が出会うべくして創られた約束の場所。
愛する「バラムガーデン」。
心から、愛しいと思える場所だから。


学食なら、もっと言う事なしなんだけどな。


                             おしまい


親父の想い

作 管理人

スコール、俺の息子なのか……
久々に宇宙でエルと会ったとき聞いた。一緒に孤児院に送られた子供の名がスコール…
(おい、そこのお前!エルオーネを頼んだぞ!)
あの時のルナサイドベースで、知らなかったとはいえ、悪いこと言っちまったな…
しかもエルの話だと、そのスコールたちが、今まで俺を助けてくれた妖精さんだったなんて…

17年か…長かったのか短かったのか…
レイン…俺があの時お前のところにいてやれば、あいつにあんな苦労をかけることは…
あの時、エルを取り返しに行くだけのつもりが、いつの間にか魔女アデルを封印することになってしまい、
アデルを封印したときに皆から英雄として称えられ、勢いで大統領になってしまった…
そして宇宙に封印したアデルを監視するために、大統領の仕事のために、戻ることができなかった…
レイン…俺を恨んでいるのか?俺と一緒にいて、幸せだったのか?
レイン………スコール………すまなかった………

ウォード「………………」
キロス「ラグナくん、スコールくんが魔女記念館から魔女リノアを連れ戻しに来た、と言っている。」
ラグナ「そうか…」

キロス「ラグナくん。」
ラグナ「なんだ?」
ウォード「………………」
キロス「やっぱり似ているな、と言っている。」
ラグナ「そうか?」
ウォード「………………」
キロス「愛するもののために周りが見えなくなるところもな、と言っている。」

ラグナ「魔女リノアか…リノア・ハーティリー…ハーティリー!?ジュリア!!!
ジュリアの娘なのか?なんてことだ…息子の恋人は…ジュリアの娘?ハハハハハ…」
キロス「どうしたんだ?ラグナくん。」
ラグナ「なんてことだよ!俺のかなわなかったジュリアとの恋を、息子がやってくれるとは!」
キロス「まったくだね。なんたる運命のいたずらやら……
さて、SeeDに打倒アルティミシアのための作戦があると連絡しておいた。もうじき来るだろう。」
ラグナ「そうだな…うっ、足がつってきた……」
キロス「その癖もいつまでも変わらないな…ラグナくん。」
ウォード「………………」
キロス「感動のご対面だな。と言っている……」

………………

ウォード「………………(来たぞ。)」

ラグナ「おお、わかったぜ…いよ〜!会いたかったぜ、妖精さんたち!」


息子の想い

作 管理人

バラムガーデン、学生寮
ラグナ、俺の親父なのか……
あのアルティミシア戦勝記念パーティーの翌日、ガーデンに突然あの3人が来た…

ラグナ「よぉスコール。やっと終わったな…」
スコール「あんたか…何の用だ?」
セルフィ「ラグナ様〜♪」

キロス「ラグナくん、いや大統領、話すことがあるんじゃなかったのか?」
ウォード「………………」
ラグナ「そうだったな。スコール。お前に言っておかなくちゃいけないことがあるんだ。」
スコール「何が?」

ラグナ「すまん!今まで辛い目に遭わせてすまなかった息子よ!」
スコール「!!!!!」
セルフィ「ラグナ様が!?」
アーヴァイン「スコールの!?」
ゼル「親父だとぉ!?」
キスティス「本当なの?」
リノア「………」

スコール「あんたが……俺の……親父………」
ラグナ(土下座中)「そうなんだ。母親はレインなんだ、分かってくれ……
みんな俺が悪いんだ!俺が最後までレインについてやれれば……
お前にこんな辛い人生を味あわせなくてよかったんだ…俺がふがいないばっかりに…許してくれ、息子よ!」

スコール「今更親父ですと言われてどうしろというんだ!!!今更親父だなんて認められるか!」

ダッダッダッダッダッ(自室へ向かって)…………バタンッ!ガチャッ!

キロス「相当ショックを受けているようだね、スコールくんは。」
ウォード「………………」
キロス「確かにこんなのが父親ではな、と言っている。」
ラグナ「なんだと!こんな親父で悪かったな、ウォード君…減点。
そういうこと言うのは減点。罰として…ピヨピヨグチの刑だ!」
ウォード「!!!」

セルフィ「ラグナ様が………(ガビーン)」

……………

スコール「はぁ………」
(ラグナ!)
ムンバは血をなめて相手のことを覚えるらしい…
(君は母親似だな)(父親に似なくてよかったな、と言っている)
ラグナロクでのあの言葉……
あの時ウィンヒルにエルオーネがいた。俺は小さいときからずっとお姉ちゃんと一緒だった。
一緒に孤児院にいた。やっぱりあそこで生まれたのか………
ずっとお姉ちゃんの帰りを待っていた。もうその時にはSeeDの船に乗っていたんだな…
しかし…あんなふざけたいい加減な奴が父親だというのか!俺は!俺は!!

ドンドン!
リノア「スコール?入ってもいい?」
スコール「あぁ………(本当は一人にしてほしい…)」
ガチャッ!

リノア「おハロー!よっ、元気か?」
スコール「あぁ………(元気なわけないだろ…)」

リノア「でもまさかラグナさんがスコールのお父さんだったなんてね…」
スコール「あぁ………(それがどうした…)」

リノア「実はあの後聞いたんだけど、私のお母さんは、ラグナさんの昔の恋人だったんだって。
お母さんの「アイズ・オン・ミー」っていう歌はお母さんがラグナさんのために作ったんだって。」
スコール「………(ジュリアか……)」

リノア「あのさあ、もしもお母さんとラグナさんが結婚してたら、私たちどうなってたのかしらね?」
スコール「………」
リノア「私もスコールも存在しなかったのかな?」
スコール「そうだな……(エルオーネも助けてもらえないのか?
もしかしたらあの時ママ先生と話さなかったらガーデンもSeeDも存在しなかったのか?)」

リノア「運命って不思議よね?」
スコール「親の世代で結ばれなかった恋が子の世代で、か……」

リノア「スコール………」
スコール「俺たちは…親父のためにも…幸せにならなきゃな…」
リノア「ええ………」


アーヴァインの想い

作 管理人

(何でみんな分からないんだ!なぜみんな覚えてないんだ!ママ先生が目の前にいるのに!)

スコール「どうした?アーヴァイン・キニアス?(集中力を高めているのか?)」
アーヴァイン「やっぱりだめみたいだ……本番に弱いんだ…」
スコール「(こいつ、ビビってるのか?)」

(スコール、ゼル、キスティ、セフィ、サイファー、みんな一緒に育った仲間じゃないか。
僕はあの頃は影が薄く、地味でおとなしかった。でも今のこの性格は、その時の反動なのかな…

僕はガルバディアガーデンにスコールたちが来たときに真っ先にあのセフィだと分かった…
それなのに、みんな、まるで覚えてなかった…孤児院のことを聞けるような状態じゃなかった…
そして、目の前にいるのは、僕らが倒すべき魔女イデアは、僕たちを育ててくれたママ先生…
そして、孤児院仲間のサイファー。スコールの話だと処刑されたはずだった…
いったい何があったんだ。ママ先生があんな事をしたり、みんなの記憶がなかったり…)

スコール「大丈夫だ、落ち着け、アーヴァイン・キニアス」
アーヴァイン「…ダメだ、やっぱりできない…(僕のこの銃でママ先生を殺すことになるのか…)」
スコール「撃ってくれアーヴァイン・キニアス!」
アーヴァイン「やっぱり僕には撃てないよ。(なぜ分からないんだ!)」
スコール「撃つんだ!成功しなくてもいい。ただの合図だ」
アーヴァイン「合図…?」
スコール「そうだ、それで、俺達は動き出す。」

アーヴァイン「わかったよ…(どうにでもなれ、うぁぁぁぁ!!!)」

パアァァーーーン……

キイーン!!!

アーヴァイン「ははは……(そうだよな…相手は魔女…こんな銃じゃ効かないよな…)」
ガクッ……(腰が抜ける)

スコール「よくやった、狙いは正確だったぞ。俺は今から魔女に突っ込む!
アーヴァインとリノアも後から来るんだ!」

リノア「行くわよ!アーヴァイン!」
アーヴァイン「ああ…」

ママ先生…みんな…全ては戦いの中で謎を解くしかないのかな…


短歌

作 あっきぃ

思っても口には出さないほうがいい自分と人は違うのだから
                       <スコール>
君はまだ夢のつづきを見ているの?…優しい瞳にわたしが映る
                       <ジュリア>
足つって緊張するが父親のみりきがあればわかってくれる!
                       <ラグナ>
 *コメント〜*
全部、時期がバラバラです。ラグナのは、自分の正体を息子に告白するってシーン(架空)。
本当はもっとたくさん考えてあったけどボツにしました。でも、また考えるかも。


Blue Sky :byラグナ(ポエム)

作 あっきぃ

初めて見つけたやすらぎ
平和とか愛とか…
そんなカッコイイことばじゃなくて
居心地がいいんだ

お日様の匂いのエルオーネ
優しい月の輝きのレイン

オレは二人を包む空になる
大切なものは
手放したくないから

 *コメントだよっ*
ラグナくんは変わったな…。っていうか、ウィンヒルは「平和」だったっけ?ま、いっか。
ちなみに、ジュリアは「高嶺の花」でしたから…。


僕と君は運命共同体

作 あっきぃ

 あの頃から、ちっとも変わらない空と…。足早に移り変わっていくのは…人の心?
ぼんやりとして、消えていってしまいそうな思い出を、僕は何度も何度も繰り返し思い出す。
決して忘れてしまわないように。

 今日はいい天気だなぁ。なんでだろ、これから魔女暗殺だってのにウキウキしてる。
なんか、すっごくいい予感がするんだ。背中に感じる地面の温かさのせいかな〜?

 「アービン!アービン!さっきキレイな貝殻拾ったの〜。見て見て〜!ほら♪」
セフィ…。いつも元気でかわいくて…。
 でも、いい子だったから、お別れが早かったんだよね。
「みんな、また一緒に遊ぼうねっ!あたし、みんなのこと忘れないからねっ!!」
『忘れない』か…。泣きながら叫んでたセフィ。みんなでセフィの乗った車を見送っていたっけ。
 そのとき、僕だけ走ってセフィを追いかけた。
 走って走って…でも追いつけなくて、悲しくて、苦しくて…。
 そのまま、地面に寝っ転がって息を切らしてたら、いつの間に来たのか、みんなが僕をのぞきこんでた。
泣き顔を見られたくなかったから、急いで立ち上がったけど、
あのときの背中に感じた大地のぬくもりは今でも覚えてる。

 「キニアス!アーヴァイン・キニアス!」
おやおや、叫ばなくたって聞こえますよ〜。
指に止まるちょうちょを、軽く「BANG」…。

 このあと、僕のうれしい予感は的中するけど、同時に悲しくてツラい運命を知ることになるのでした…。


ふたりでいれば…Byリノア

作 あっきぃ

 ふたりでいれば 
 悲しいことやツラいこと
 半分になるよ

 ふたりでいれば
 楽しいことやうれしいこと
 2倍になるよ

 ふたりでいるから
 強くなれたよ

 あなたがいたから
 ここまで来れたよ

 ふたりで…
 一緒にいようね…
 いつまでも…

*コメントだもんよ*
ムリヤリ考えたリノアサイドポエム!(倒)
どっかで聞いたことあるようなフレーズが…(汗)。
リノアさん。ほかのみんなはどーでもイイのか!?(笑)


リノアがいたから…

作 すみた・レオンハート

ここまで…長い道のりだった…
正直言って、ここまで俺が来れたのはリノアのおかげだ
リノアがいなければ俺はただの無愛想なSeeDだったと思う
『優しくない!!』とか反発していた事もあった
でも今は違う…俺は変わった
リノアが宇宙に飛び出した時は必死になって止めようとした
しかし俺はあの時止められなかった
すぐに俺も宇宙に飛び出た
あそこにラグナロクがあったのは偶然だったかもしれない
内部に入ってリノアがハグハグとか言って手を伸ばしてきた
俺は何のことかさっぱり分からなかった
リノアが連れていかれる時に
「リノア行くな!!」と言った
あの時は仕方ないと思っていたけれど
キスティスの言葉で目が覚めた
すぐに魔女記念館に行った
リノアはガラスの中にいた
ガンブレードで切り付けた
リノアが飛び込んでくる
(これでよかったんだ、これで…)
そう思った
今、アルティミシアとの戦いをしようと思う
これに勝ったら世界は平和になる
これが最後…
苦しんでいるリノアは見たくない!!
そう思いながら扉を開けた


セルフィバンド〜慕う心を音楽にして〜

作 ユイ

いつもは静かな波の音に支配されたフィッシャーマンズ・ホライズン。

波の音がリズムを刻み、カモメを始めとした渡り鳥たちがメロディーを奏でる。

海を割る橋の中心に存在する街は、巨大なコンサート会場だった。

しかし今日はいつもと勝手が違っていた。

フィッシャーマンズ・ホライズン中央に位置するドープ駅長の家の方から、音楽が流れているのである。

だが別に特別上手いというわけではなかった。

何度も音楽が途切れ途切れになったり遅くなったりしている。どうやら初心者が練習しているらしい。

楽器が楽器なだけに音は大きく、それはガーデンの庭のほうまで届いた。

なぜここで音楽が流れているかというと、セルフィバンドが練習しているのである。

セルフィバンド それはバラムガーデンの文化祭でバンドの発表をやる唯一のバンドである。

創設者はその名の通りセルフィ・ティルミット

トラビアガーデンから転校してきたヌンチャク使いの女子生徒である。これでもレッキとしたSeeDだ。

転向して早々に文化祭の実行委員長を名乗り出る(実行委員がいなかったので結局こうなった)実行派の彼女は

今夜のバンド発表に間に合わせるため、必死にエレキギターを練習していた。

でも流石に音楽の経験がないのか、彼女は結構てこずっていた。

「あ〜もう、また失敗!」

彼女のパートは基本的に同じようなテンポの繰り返しになっているが、

ギターが初めてなのか、慣れない弦を押さえることで指を痛めていた。

加えてなかなか上手く指が回らない。

彼女の細く鋭角的な指先に、少しマメのようなものができている。

ギターを練習する時にできるマメだ。

これができると幾分痛みは感じないが、出来立ての人は例外だ。

慣れるまでは長い間、マメは内側から痛む。

セルフィは少し休憩しようとギターを壁に立て掛けて、椅子に座った。

外からドラムの音が聞こえる。その大きい音に混じってギターの音も聞こえた。

「あ〜…これで本当に大丈夫かなあ?」

普段楽天的に考える彼女だが、今回初めての試みである学園祭のバンドの発表は彼女を不安にしていた。

指先は外気に触れるだけでも痛む。それだけ彼女は練習していた。

しかし、時間は待ってくれない。

いくら今が昼とはいえ、初心者であるセルフィが上手くできるようになるまでは時間があまりにも足らないのだ。

そんな漠然とした不安が彼女には大きく思えた。

セルフィは大きく溜め息をついた。

その時セルフィは『溜め息は吐いた数だけ幸せが逃げる』という言い伝えがあることを思い出し、我に返った。

その瞬間、辺りが妙にしんとしていることに気付いた。

「あれ?」

セルフィの耳には波の音しか聞こえない。それをかき消すドラムやギターはどこへ行ったのか。

そう思ったとき、聞き覚えのある声が耳に入った。

「セルフィ、ちょっと休憩しない?おやつ持ってきたヨ。」

リノアの声だ。

「あ、ちょっとまって、いくいく〜。」

セルフィは走ってリノアのもとへ向かった。

先程までの不安は、彼女の頭の中から取り払われた。

そこにはすでにゼル、アーヴァイン、キスティスの姿もあった。

成程、音が聞こえなかったのは既に休憩の時間に入っていたからだ。

「どう、練習の進み具合は?」

リノアが袋からおやつを取り出しながら訊いた。

「全然ダメ〜」

セルフィは言いながら、すかさずおやつを取る。

「あれ?珍しく弱気だね〜。」

アーヴァインが意外そうに言う。

「そういうアーヴァインはどうなんだよ?」

ゼルがパンを頬張りながら訊いた。

余談だが、これはゼルが食べたがっていたバラムガーデンの学食のパンである。

「ボク?ボクは心配ないさ、ドント・ウォーリーだよ。」

ベースを担当しているアーヴァインが得意そうに言う。

「でもあなた、ちょっと前までどこかに行ってなかった?」

キスティスは、先程までアーヴァインが散歩に行ったことを知っている。

お互い初めてなことである以上、それぞれに不安があるのだ。

だからアーヴァインが練習を抜け出していったことにキスティスは多少ながら不安を覚えたのだ。

「だから大丈夫だって、僕を信じてよ〜。」

あくまで余裕を主張するアーヴァイン。それに突っ込みを入れたのはリノアだった。

「そういうあなたには『信じてよ』といって信じられないことになった前科が何回あったんだっけ?」

リノアがおやつのクッキーを食べながら言った。

「ああ!もう!それは僕が悪かったって!」

「そういえばさ、スコールは俺たちが何してるかってこと知ってるのか?」

ゼルが思い出したように訊いた。

「これだけ大きな音出して練習しているから、恐らくスコールも気がついちゃうと思うけど

それにしても姿を見せないのはおかしいわね。いつもなら何かを言わなくても姿は見せたりするのに。」

「そうそう。ちょっと前にスコールの部屋を覗いたら、スコール寝てたよ。

それに宿舎には練習している音も届かないしね。」

ガーデンの宿舎はフィッシャーマンズ・ホライズンと反対のほうに位置しているため、まったく聞こえないのである。

「あっ、そうなんだ。」

「どうするリノア?チャンスだよ。」

アーヴァインがからかい口調で言った。

「な…何がよ?」

「アーヴァイン。」

キスティスがアーヴァインの続く言葉を止めた。

「冗談冗談。」

「それはそうと、全体練習はいつやるの?

個人練習も結構だけど、全体が合わなかったら音楽も何もなくなるわよ。」

「そうだな。」

「特にゼル、キミなんかは性格からして走っていっちゃう傾向にあるから気をつけたほうがいいよ。」

「うるせえな。」

ゼルはアーヴァインの言葉が気に障ったらしく、傍らにあったパンを一つアーヴァインに投げつけた。

アーヴァインはそれをよけ、すぐさま体を少し回転してキャッチした。

それを見たセルフィが思い出した。

「そうそうリノア、あれ用意できた?」

「うん、ばっちり。見てみる?」

「あれって何だよ?」

ゼルは『あれ』のことが気になった。

「スコールを喜ばせるための小道具よ。」

「?」

キスティスは微笑むが、ゼルにはまだよく分からない。

「見せて見せて〜」

リノアは袋の中に入れておいた白いドレスを広げて一同に見せた。

「どう?」

「わ〜綺麗〜」

「すげえな。これリノアが着るのか?」

ゼルもこれで大体を理解した。無論、アーヴァインもだ。

「これでスコールのハートをゲットできるねえ。」

「アーヴァイン。」

再びキスティスがアーヴァインの言葉を止める。

「ごめんごめん。」

「あ、これってスコールたちがSeeD入隊の祝賀会の時に着た服じゃない?」

キスティスがその時のことを思い出して言った。

「そうそう。」

「あれ?その時来たの?」

意外そうにセルフィは訊いた。

「うん、それでパーティのときにスコールと踊ったの。」

リノアもその時のことを思い出し、嬉しそうにリノアは一同に言った。

「スコール、踊れたのか?」

ゼルも意外そうに訊いた。

ドール公国でのスコールの発言から、そういうことには興味がないと思っていたからである。

「踊れないって自分では言ってたけど、少し経ったら踊れるようになっちゃったのよ。」

「へぇ〜。そりゃすげえ。」

「そうそう。本当に何でもできるわよねスコールは。」

ホール上から見ていたキスティスも思い出して呟いた。

「もしかしてギターとかもできるのかな?」

突然セルフィが皆に訊いた。キスティスの言葉からそう思ったのだ。

「さあ…少なくともスコールが楽器を演奏しているのは見たことはないわ。」

「ふーん、できればスコールにギター弾きながらヴォーカルをやってもらいたかったんだけど……」

「スコールが歌うのかぁ。ちょっと想像できねぇな。」

スコールの普段が普段である以上、ゼルにはなかなか適切なイメージが浮き上がってこなかった。

「でもそうなったらカッコイイだろうね。」

架空の話とはいえ、夢は一層膨らみかけた。

「おいおい、それじゃ僕たちの立場がないよ〜。」

「だったら練習すればいいじゃない。」

リノアにキツいツッコミを言われ、アーヴァインは思わず溜め息をついた。

「それじゃ一息ついたら練習を再開しましょ。」

「リノアはこれからどうする?」

「どうしようか…」

「あっ!そういえばステージはどうなったの?」

「ステージ?確かもうほとんど完成してるみたいだよ。見に行く?」

「行ってみようぜ。」

「よ〜し、いこいこ〜」

セルフィは指の痛みも忘れ、ステージへと走っていった。

ステージは四つの楕円形の足場が少し重なるような形をしていた。

バラムガーデンのバンドを意味しているのか、それとも海で演奏をするからか、ステージは紺碧に彩られている。

「へ〜、カッコいいじゃない。僕たち、あの上で演奏するんだね。」

「本番はライトを照らすから、今よりずっとカッコよく見えるようになりますよ。」

セルフィたちに気付いた作業員が説明した。

「パートから考えるとセルフィがあの中央で演奏するみてえだな。で、俺があそこでアーヴァインが…」

ゼルが場所を指差しながら呟く。

「ねえねえ、ちょっとポジションについてみない?」

「あっ、それはちょっと…まだ手前のしか完全にできてないので……」

作業員が静止しようとするが、時既に遅し。

「あっ!セルフィ!」

作業員の言葉より早く、いつの間にかセルフィは前方のステージに登っていた。

「わ〜、結構高いね、ここ。ここからだと観客がいっぺんに見渡せるよ〜。」

「セルフィ、危ないから他のところには乗ったりするなよ。」

「分かった〜」

このときキスティスは重大なことに気がついた。

そして彼女は静かに数歩退いた。

そしてある程度退いた後、セルフィに向かって叫んだ。

「セルフィ、実際観客の最前列はこの位置よ。」

「え?なんで〜?」

セルフィにはよく分からなかった。いくら観客席が広いとはいえ、

観客最前列はステージからは十分すぎるほどの距離があったのだ。

「先生、何でそこが最前列なんですか?手前のスペース結構空いてますけど・・・」

ゼルが不思議そうに訊いた。

「これ以上前に観客を座らせると、セルフィのスカートの中身が見えるのよ。」

「うそっ!」

「あ…………………………………………」

その時下から偶然見上げたアーヴァインがそれに気がついた。

セルフィはそれに気付いて咄嗟に隠した。そして

「アーヴァイン見たな!レビテガ!

彼女はすかさずレビテガを唱えた。アーヴァインの体が宙に浮く。

「ちょっとちょっと、それはあんまりだよ〜」

アーヴァインの悲鳴もむなしく、アーヴァインは空の彼方へ飛ばされていった。

セルフィはステージから降りてくるまで、作業員を含めた6人はその様をずっと眺めていた。

降りてきた時、ゼルが呆れたように言った。

「おいおい、いくらあいつが悪いからって、レビテガ使うなよ。それにこれじゃ全体練習できないぜ。」

「大丈夫。一応魔法力を抑えたから、海岸近くまでしか飛んでいかないよ。」

声は明るいが、それでもセルフィの表情は憤怒で彩られている。

「それに彼のことだから、お腹が空いたら戻って来るでしょ。」

「犬かあいつは………」

「あはははは。」

のほほんとした会話をしている頃、飛ばされたアーヴァインは鮫に追い掛け回されていた。

その模様を偶然釣りじいさんに助けられ、アーヴァインは飛ばされてから一時間後、やっとの思いで練習に参加した。

太陽が西の海へ沈んでいくにつれ、ちらほら会場にはリハーサルを聴きに生徒が集まってきた。

セルフィバンドも暗くなるにつれ熱が高まり、遂にリハーサルの最終段階に入った。

だが、昼から練習していたせいもあって、四人は流石に疲れていた。

「もうそろそろリハーサル終わりにしたほうがいいわね。」

キスティスが肩を落として皆に言った。

「そうだね、流石に疲れたよ。意外に大変なんだね、バンドってのも。」

途中から参加したアーヴァインもすっかり疲れてしまった。

それにつられ、柄にもなくへばって腰をおろしたセルフィが、ギターのストリングスを抑えていた左手を見ながら呟いた。

「あ〜あ、指にマメができちゃった。」

「私もよ。」

キスティスも溜め息混じりに言う。

挫折に慣れていない彼女だが、今回ばかりは必死に頑張ったのだ。

「ふーん、ギターやるとマメできるのか。大丈夫かよ?」

後ろからゼルが訊いた。すっかり汗だらけである。

「もうだいぶ硬くなっちゃったからそんなに痛くはないけどね。」

四人が疲れきって会話をしているとき、リノアがステージに上がってきた。

「ねえちょっと、少し暗くなってきたから、いっそのことライト照らしてみない?最終リハーサルなんだからさ。」

リノアの提案で、ステージ下から七色の光が発せられた。

それを見た観客たちは驚きの歓声を上げる。

「結構カッコいいよ、これ。」

距離をおいて見たリノアが四人に叫ぶ。

「でもこの位置だと良く分からないわね。」

その言葉で、セルフィはビデオカメラのことを思い出した。

「ねえリノア、確かあたしの荷物にビデオカメラが入っているから、ちょっと撮ってよ。」

「OK!」

リノアはセルフィの荷物から8ミリのカメラを取り出し、RECボタンを押した。

「準備いいよ。」

「じゃ、最後の力を振り絞って最終リハーサルだな。」

「ビデオに撮るんだから、かっこよく決めましょう。」

「リノア!できれば僕をカッコ良く撮ってね。」

「いくよ〜。セルフィバンド最終リハーサル、スタート!!」

セルフィの声を合図に、最終リハーサルが始まった。

ガーデンの宿舎では、相変わらずスコールは小さな寝息を立てて寝ていた。

いつの間にか夜の小波と、虫の音が暗闇を支配している。

だがそんな環境でも、スコールも昼から寝ていたせいもあって、やっと起きた。

「……随分静かだな…」

スコールは宿舎が異常に静かだったことに違和感を覚えた。

普段静かなことを好むスコールでも、いつもは当たり前のように聞いていた雑音がなくなると流石に気になるようだ。

スコールは起き上がり、宿舎を出た。

廊下の先にはリノア、キスティス、アーヴァイン、ゼル、セルフィの五人がなにやら集まって話している。

「?」

でも、スコールの姿に気が付き、リノアを除いた四人はその場を去った。

当のリノアはスコールと初めて会った時の白いドレスを着ている。

「お目覚めはどうでしょう?ぐっすり眠れた?」

「………」

「あ、またそうやって何も言わずに変な顔になる。」

(大きなお世話だ)

「言いたいことがあるなら、ちゃんといいなよ。じゃないと何がしたいのかとか分からないよ。」

「…この静けさはどうした?」

「これから学園祭のステージ発表があるの。皆そっちに行っちゃったんだよ。」

(………興味ないな)

「ねえスコール、行ってみない?」

「…興味ないな。」

「興味ないな。」

スコールが言葉を発するのと同時にリノアも同じ言葉を言った。

「あはははは。」

自分と同じ言葉を言ったから面白かったのか、思わずリノアは吹き出す。

「アッ!とごめんね、笑っちゃって。

それともスコール、これから何か予定でもあるの?例えば誰かとデートとか。」

「特に無い。」

スコールは呆れながらも強く否定した。

「だったら行こうよ一緒に。一緒に行けば結構面白かったりするんだよ。」

「…」

スコールは何も言わなかった。

「あ、憂鬱そうな顔してる。何か言いたいことがあるなら言っちゃいなよ。」

スコールは小さく溜め息を漏らしただけで何も言わなかった。

そのスコールの態度を見て、リノアは腰を低くすることにした。

「あ、すみません。オホン、え〜こんなわたしでございますが、

一緒にいればスコール様も難しく考えないで済むと思ったのでございます〜。

いかがでしょう、スコール様?」

「…分かったから様付けはやめろ。」

流石のスコールもその言葉遣いに嫌気か、それとも呆れを覚えたのか、リノアに言った。

「はは〜、ありがたき幸せ。」

恭しくリノアは頭を下げた。

「ってことはOKってことだよね?」

言葉のトーンを元に戻し、スコールに笑って確認する。

「…」

もはやスコールには言葉が出なかった。厳密に言えばリノアによってペースを崩されたからである。

その沈黙を“YES”ととったのか、リノアはスコールの手を引いた。

「さあ!コンサート会場へいざ行かん!」

結局スコールはリノアの誘いをしぶしぶ受けることとなった。

「スコール、あれだよ。」

ドープ駅長の家をリノアは指差す。

下から七色の光線が伸びている。それは夜空を割って月まで届いているようだった。

二人は観客席へ歩いた。するとその先にアーヴァインがいた。

「ようスコール。いい雰囲気じゃない。」

からかい口調でスコールに耳打ちする。

そしてスコールに言葉を発する隙を与えずアーヴァインは続けた。

「まま、僕達の事は気にしないで、そっちはそっちで楽しくやってね。

いい席とっといたから。雑誌が置いてあるところがそうだよ。

じゃ、僕たちの演奏も楽しんでね。」

(僕たちの?)

アーヴァインが去ったと同時に、マイクから聞き覚えのある高い声がした。

「あーあー。えーっと、みんな!聴きに来てくれてありがとう!!」

観客から拍手と歓声が沸き起こる。

「ガーデンがいつの間にかこんなんになっちゃったけど、今日は無事学園祭を開けたことと、

我らが班長スコールの指揮官就任を祝って、演奏させていただきます!!」

またもや喝采の拍手と歓声が沸く。

(皆、俺のために?)

「それでは、セルフィバンドスタートォ!!」

演奏が始まった。始まりから少し経ったところで、スコールはアーヴァインに言われた場所を見つけた。

「あ、えっちい本がある。」

リノアがからかい口調で言った。

(…アーヴァイン、何を考えてるんだ?)

そう思いながら、スコールは座った。

「ねえスコール、聴かないの?」

スコールはただステージに背を向けて座っている。

「また難しいこと考えてる。」

言いながらリノアはすぐ隣に座った。

「スコールって難しく考えると、こう目が細くなって、眉毛がくっつきそうになって…」

と、リノアはスコールの顔を真似して見せた。スコールはやめろといわんばかりに手で払おうとする。

リノアは後転し、それを見事によけた。立ち上がると、リノアは大声で笑う。

「あははははは」

今更ながらスコールはここに来たことを後悔した。からかわれるよりはじっとしてたほうが良いと思い始める。

「ごめんねスコール。でも、本当はねえ……」

リノアはいいながらスコールの後ろに駆け寄った。

「でわ、セルフィバンドの成功を祝って乾杯!」

『かんぱーい。』

セルフィを除いたセルフィバンドのメンバーとリノアは、ステージ発表が終わってからステージ上で打ち上げをすることになった。

セルフィは自分のギターを抱えるようにして小さな寝息を立てて寝ていた。

ミサイル基地から帰ってきてまもなく学園祭をやって、しかも不慣れなギターを一生懸命練習したのだ。

疲れが溜まるのも無理は無い。そういうことを理解した上で、一同はそっと眠らせてあげることにした。

アーヴァインが『風邪引くかもしれない』と心配したが、F.Hの気候を考えるとその心配は無いとキスティスは言う。

「あれ?スコールは?」

「スコールはもう宿舎に戻っちゃったんだ。」

少し残念そうにリノアは答えた。

「分かってたけど残念ね。」

「それはそうと、演奏上手だったよ。」

「ありがとね。」

「で、そっちはどうだったんだよ?スコールとは。」

「全然ダメ。いっつもスコールったら難しい顔ばっかりなんだもん。

本当に何言ってもさ・・・」

言葉ではそういうものの、リノアの心は晴れやかだった。

「最初は結構いい感じだったのになあ。」

「告白のチャンス逃しちゃって残念だねえ。」

「な!」

「ふふっ、赤くならなくてもいいじゃない。」

リノアの様を見て、セルフィを除いた三人は笑った。

その時キスティスは一つの影に気がついた。

「スコール?」

「え?」

「あれ?スコール?」

ステージ下にはスコールがいた。

「皆、打ち上げも結構だが明日にはガーデンの修理が完了する。

修理が完了次第出発だ。それを忘れずにな。

あと念のために言っておくが、未成年なんだから酒は飲むなよ。」

「分かりました〜スコール班長〜」

スコールが言い終わった後、弱々しいセルフィの返事が返ってきた。

セルフィはいつの間にか起きたのだ。といっても眠そうな状態はそのままだ。

「………まさかもう飲んでるのか?」

スコールは眠そうな顔をしていることから、そう勘違いした。

「そうじゃないけど〜眠いだけ〜お休み〜」

そう言ってセルフィはふらつきながら寄宿舎へ戻っていった。

「いっておくけど僕たちお酒は全然飲んでないよ。

セルフィは何かと疲れることが多かったからああなっただけだから。

しばらくそっとしといてあげなよ。」

セルフィと同伴したアーヴァインが補足するように言った。

「ミサイル基地から帰ってほとんど休まずに頑張ってたしね。疲れが溜まるのも当然だわ。」

「なあスコール、せっかく来たんだから、一緒に打ち上げしないか?」

ゼルは陽気にスコールを誘う。

「いや、俺は……」

「セルフィもああだから人が足りないんだよ。いいだろスコール。」

アーヴァインがたしなめるように言う。

「……」

「ま、そんな難しく考えないで。どうせ明日から戦いの日々が始まるんだから、

今のうち楽しんでおいても損はないよ。」

リノアは微笑みながらスコールの手を引っ張る。

「……」

「連絡事項を私たちに伝えたんだから、もう任務は終了でしょ?だったら私的なことに入っても大丈夫よ。」

キスティスはスコールの性格を読んで、説得するように言う。

「……」

「スコール!」

「…………少しだけならな。」

スコールはしぶしぶ参加することにした。リノア達は喚声を上げる。

「よし!じゃあスコールも加わったところで、乾杯し直そう。」

スコールの右手にグラスが渡され、ジュースが注がれる。

注ぎ終わった後、アーヴァインが立ち上がり、乾杯の言葉を言った。

「スコール班長の指揮官就任と、その後の無事を祈って乾杯!」

つかの間の打ち上げは深夜まで続いていった。

END


どうもユイというものです。

もうブーム終わってたりするけど、「書きたいんだから」ということで大目に見てください。

さて、最初に言っておかせてもらいますが、このセルフィバンドのお話、知っているとは思いますが

はっきり言ってこういう楽器の構成はゲームにはありません。

あくまで一般的なバンド(?)というか、普通バンドを構成するために必要不可欠な楽器をそろえて、

それをセルフィ達に当てはめてみただけでございます。

ちなみに分かっていると思いますが、パート構成は以下の通り

セルフィ=エレキギター(I)

キスティス=エレキギター(II)

アーヴァイン=ベース

ゼル=ドラムス

ま、これは私の個人的な趣味であって、この構成に不満を覚える人もいるでしょうがご了承ください。

そんなわけですが、最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。では。


The story after FF8

作 mina

アルティミシアを倒して約1年―
世界は平和に包まれた。
この1年で壊された建物は元に戻り、すっかりあの悪夢も嘘のようになってしまった。
しかし今だあの6人…厳密に言うと10人を超えるだろう人々は忘れてはいなかった。
…忘れることはできないといったほうが適当なのだろうか。

その中の一人、スコール・レオンハートは1年前約束したことを果たすためある場所へ向かっている。

―1年前。
その6人はバラバラとなった。

リノア・ハーティリー、魔女イデアを倒した後、魔女の力を継承してしまった。スコールを変えた張本人。
リノアはその後実家へ戻り、カーウェイ大佐と仲良く暮らしている。
ゼル・ディン、スコールのクラスメートである彼は、何かとスコールにつっかかっていた。
ゼルは半年間SeeDとしてがんばっていたが、何を思ったか故郷バラムで警備員をしている。
三つ編みの図書委員とは健全なお付き合いをしている。
キスティス・トゥリープ、エリートとして育ったため、挫折を知らないせいか、
SeeD教員を解雇された時にはひどく落ち込んでいた。
しかし今はSeeD教員として復活(!?)し、日々の生活を送っている。
セルフィ・ティルミット、トラビアから転校してきたが、半年前に親友たちとトラビア復興を目的として故郷に帰っていった。
アーヴァインとは遠距離恋愛中(!?)
アーヴァイン・キニアス、ガルバディアからスコールたちと行動するために派遣された狙撃手。
セルフィに思いを寄せつづけていた。
今は遠距離恋愛中で、なんとSeeD試験に合格し、ガルバディアでSeeDとして活動している。
スコール・レオンハート、無愛想ではあるが思いやりのある人。
リノアと出会い、だんだん変わっていった。
エスタの大統領、ラグナの実子である。
今は気持ちの整理をするためガーデンを離れウィンヒルでひっそり隠れるように住んでいる。

そしてその約束とは、リノアとの関係をはっきりさせることである。
しかしそれには時間が必要だった。
ラグナとエルオーネ、リノアに対する気持ちに素直になる必要があったのだろうか。
そんなことは以前のスコールには到底できなかったはずだ。
リノアとの出会いはそう言った意味では大変重要なことではなかろうか。


―今、すべての始まりの地、
イデアの家では、スコールを含めた6人と、ラグナ、エルオーネ、イデア、シド、この4人が集まっている。
「久しぶりだな………。」
スコールのこの言葉はとても深く感じられただろう。
「俺はこの1年いろんなことを考えた。」
他の9人の表情はみな真剣だ。
「自分のこと、家族のこと、ガーデンの意味……。そしてリノアのこと。その中で答えは出なかった。
ただ、1つだけわかったことがある。自分は…、人はいくらでも変われることを。」
それから一時間に渡ってスコールは今まで考えてきたことを話した。
一年間悩みつつけ、答えこそ見出せなかったものの、手に入れたものはあった。

「俺が考えたことはこれで終わりだ…。」

しばらく沈黙が続いた。
と、そのとき、リノアがスコールのそばへ静かに歩いていき抱きついた。
「…お帰り。スコール、お帰り。」
「……………ああ、ただいま。」
その瞬間、ゼル、キスティス、セルフィ、アーヴァインの4人も駆け寄った。
「お帰りなさい、スコール。」
「……あんたは相変わらずだな、キスティス。」
「おっかえり〜〜!」
「セルフィ…トラビアはどうだった。」
「だいじょ〜ぶっ!」
「…よう。お帰り。」
「ゼルか。久しぶりだな。」
「お帰り〜。元気〜?」
「アーヴァイン…俺は大丈夫。」
みんなは笑顔に満ちていた。
そこにラグナ達も加わった。
「よう、スコール。」
「久しぶり、スコール。」
「…変な感じだな、あんたが親だなんて。」
「ひっでーなぁ、おい。」
「スコール、大きく成長しましたね。」
「もう僕が教えることはありません。」
「ママ先生、シド学園長。…俺はまだあなた達から学ぶべきことがたくさんある。」

その後は、夜までみんな、語り合っていた。
セルフィからの報告、ゼルの状況、アーヴァイン、キスティスの現状の報告。
エスタでは今、いったい何が起こっているか、など。


さまざまな報告の後、スコールの口からリノアへの思いが発せられた。
「リノア、…俺は…リノアが好きだった。
あんたと出会ってから、あんたに惹かれていた。
多分、好きだった。それは今も変わらない。」
「スコール…。」
「それをずっと隠していた。あのころは……素直じゃなかった。
リノア、俺と付き合おう。」
「…ええ、…スコール。」
周りから拍手が起こった。
みんないっせいに「おめでとう」といった。
二人は笑顔で、「ありがとう」と返した。


それからはみんなまたそれぞれの”場所”へと帰った。
リノアは実家へ。
セルフィはトラビア、アーヴァインはガルバディアへ。
ゼルはガーデンへ戻ったが、バラムでの警備員の仕事は続けるようだ。
キスティスはガーデンへと戻り、教員生活を送るようだ。
そしてスコールは、ガーデンでどうやら教員になろうとしているらしい。

みんなはそれぞれの土地で元気に活躍している…。


初めて知った自分の気持ち

作 浩二

気づいたら夢中になって宇宙船から飛び出していた
リノアを助けるために
(リノアは…リノアは何処だ)
居た…早く受け止めて宇宙船に戻ろう。
(生きてるか?)
リノアが小さく首を振った

宇宙船がない…仕方ないか…決意を決めて出てきたんだ…
リノアと一緒にいれるなら…
……。
リノアが指を差した…
何かある…
赤い宇宙船だ…
(これで助かるかもしれない…)
開いた…人は居ないようだ…空気もある
(リノアがはしゃいでいる…まだ助かったわけでもないのに…)
操縦席に座った俺はあたりを見回したが良く分からなかった…
急に無線が入りこの船の名前「ラグナロク」だと知った。
説明してもらい、操縦は自動になりホットした…
リノアが膝に座って来た…
リノア:帰っても一緒にいれるかな…
(そうだなと言ってあげたかったが、どうなるか
分からなかったし、適当なことは言えなかった…)
無事、陸に降りたが
リノアが連れて行かれた、俺は何も言わなかった…
リノアがそうしたいと言ったからそれでいいと思った…
だが…仲間が許してくれなかった…
俺もそうしたかった…。
助けに行こう…ずっと仲間で居るために
そして…。


あるSeeDの1日

作 mina

チュンチュン。
「朝だ…。起きないと……。」
パジャマからSeeDのさえいふくにきがえるとすでに“SeeDのかお”になっていた。
そのSeeDは着替えると顔を洗って気を引き締める。
それから食堂に行く。

「おはよ〜。」
「おお、おはよう。」
声をかけてくるのはたいてい女子だ。
「おばちゃん、A定食ちょうだい。」
「はいよ、ちょっと待ってね。」
彼の朝はいつもA定食だ。
ガツン☆
「あってっ。」
「よう、おはよう。」
「何すんでー。いやみったらしく声かけてくんじゃねーよ。」
「べっつにー。」
「語尾延ばすなっつーの。ったく。」
たまに男がいじめにくる(笑)。
「よう、昨日の話し聞いたかよ。」
「何だよそれ。」
遠くから話し声が聞こえる。
「お前知ってる?」
「何を。」
「昨日何があったか知ってるかって聞いたんだよ。」
「ああ……アレね…。」
「アレ?」
「そうアレ。何だお前知らなかったのか。まあ知ってるやつも少ないっちゃー少ないがな。」
「じゃあ何でお前知ってんだよ。」
「ヒミツ。」
「んで何があったって?」
「そうそう。キスティス先生が教員解雇されたって。」
「え〜〜〜〜〜〜〜!」
「し〜〜。声でかい!」
「う…ゴメン。でもまじかよ。」
「ああ。」
「うわーすげーショック…。キスティス先生好きだったのに、俺…。」
「まー落ち込むなって。SeeDに戻っただけって聞いたし。」
「ホントか?」
「うん。」
「よかったー。先生がガーデン来なくなったらどうしようかと思ったぜ。」
彼らの食事は終わっていた。
その間約10分。

食事が終わると彼らは図書館へ行った。
「お前スコールって知ってるか?」
「あー最近SeeDになったやつ?」
「そう。先生、そのスコールの援助にまわるんだってよ。」
「えー、何でよりによって新人の?」
「新人だからだろ。」
「じゃあもしかしてガーデンに来ないこととかもあるんじゃ…。」
「そう。」
ガーン。
ショックはそのSeeDを襲った。
「まあたまには帰るだろうし、援助に回るのも当分先とかいってたからまだ会えるじゃん。しかも別に会えなくなるわけないし。」
必死にフォローするが彼には届かなかった。
「なんでだー!」
「落ち込むなって……。」

1時間ほど読書をするとガーデンの見回りをはじめた。
そのときには先ほどのSeeDとは分かれて一人でいた。
時間はまだ10:30だ。
ガーデンの見回りは1時間はかかる。
見回りを終えるころには、、生徒をはじめ、ガーデンに残っているSeeDは、たいてい食堂に集まっている。

その中にゼルはいた。
「おばちゃん、パン二個。」
「あいよ。」
「くぅ〜。久々のパンだぜ。」
「お待たせ。あと1個しかなかったから我慢して。」
「えーそんなー。」
「ほら、さっさと行きな。」
「チェッ。」
パンを1個しかもらえず、ふてくされているようだ。
(何食べようか…。)
しばらくした後、
「おばちゃん、Bランチ。」
「はいよ〜。」
昼は特に決まってないようだ。
昼食はたいてい何人かと食べて話を交えているせいか、いつも1時を越す。
「ふー食った食った。」
「お前これからどーするよ。」
「俺は……そうだな。モンスターエリアでちょっと1汗流してくよ。」
「あそう?じゃ俺も行くよ。」
「そんなら俺も。」
どうやら3人だったらしい。

彼は昼食の後は必ず汗を流す。
校庭でバスケをすることも多々あるようだ。
SeeDには授業がない分こうして体力をつけないといけない。
どこかに派遣されれば1日中仕事なのだが、たまに何もない日があると暇なのでこうするしかないのだ。
彼はSeeD歴約半年。
この時期というのは中途半端なもので、新人に仕事を取られてしまうことが多いのだ。
新人に仕事を与えるのはシド学園長の考えで、早くこの仕事になれて欲しい、との事。
半年も経てば仕事にもなれて新人にその場を譲るというのだ。
かといって新人ばかりに仕事をさせるほどこの世界は安全ではない。
そのためSeeD歴2年以上の者に同行させる。
もちろん普通に仕事が来る場合も多い。
たとえば、ボディーガードになってほしいという依頼が来ると半年のSeeDを行かせる。
まあたいてい半年のSeeDはガーデンの安全を守ることがほとんどだ。
「最近ぜんぜん仕事こねーよな。」
「そーだよな、俺も暇でさー。」
「仕方ねーじゃん。新人に全部くらい取られてんだから。」
「まーなー。」
そんな会話をしながら、モンスターエリアを3週ほどする。
1周約30分ほどかかるが、今日はなぜか倍ほどかかり3周したころには4時になっていた。
「こんな時間かかったっけ。」
「お前らが何度も立ち止まったり、戦闘中にしゃべってたからだろ!」
「ちげーねーや。」
「わかってんのか!コラ!」
怒鳴り散らす声があたりに響く。

「あー疲れた。ちょい寮で昼寝してくる。」
「んじゃ俺ら2Fデッキでカードやってるよ。」
「おー、気が向いたら行くよ。」
寮に戻った彼は30分ほど眠っていた。

目を覚ますと5時になっていて、2Fデッキのあの2人のところへ行った。
「まだやってたのか。」
「おう。」
「他んとこいこーぜ。」
「そーだな、カード増やしに下行くか。」
「俺もつれてけ。」
「あ!今何時だ?」
「今か?……5:20だな。」
「お、いけね。早く食堂行ってならばねーとB定食間にあわねー。」
「B定食人気あるよなー。」
「特に月末のはうまいもんな〜。」
「お前ら先行ってこいよ。俺夜はC定食だから。」
「おーCか。Cもうまいよな。」
「じゃあお前だけはよいっとけ。」
「わりーな。」
どうやら彼の夜はC定食のようだ。
たまにBも食うらしいが。

食堂に着くまでに何人かとカードをしたせいか、時はすでに6:00すぎ。
「あいつもう食い終わったかな…。」
「かもな。」
「おばちゃん、C定食。」
「俺も。」
「あいよー。…はいお待ちどう。」
「あ、あいついるじゃん。」
「ちゃんと食えたのか。」
「Bゲットしたぜ。」
「いつ。」
「ついさっき。」
「ずっと並んでたのか。」
「うん。」
「それであったとは…恐るべしB定食。」
「何言ってんだ?他のやつみんなA頼んでてよ。」
「なんでAなんだ?」
「メニュー変わったらしい。」
「でもお前はB頼んだのか。」
「そう。」
「ハハハ…。」
「Aうまいのかなー。」
「さあね。」
「おばちゃん、Aちょうだい。」
「Aかい。Aならさっきので終わりだよ。」
「えー。」
「Bにするかい?」
「まだあんの?」
「あるよ。」
「ラッキー♪」
「おーい。」
「ん?何だ?」
「お前、Aのメニュー知ってる?」
「おお、何だっけ、バラムフィッシュのホイル焼きだとかなんとか…。」
「何ぃー。」
「惜しいことしたな。」
「来月まで待ちか〜?」
「いや、明日もあるって。」
「ラッキー。」
「ごちそうさま。」
「はえーな。」
「俺らカード集めに行ってくる。」
SeeDの間ではカードが流行っているらしい。
「俺らも後で行くよ。」
「じゃー1Fホールんとこでやってるよ。」

ホールでカードをやり始めて20分。
「おーぅい。」
「お!来たか。」
「どう、順調?」
「おうよ。」
「じゃ、次おまえらやってろよ。俺ずっとやってたから。」
「カードやらねぇ?」
「おっ、やろうぜ。」
その間約10分…。
「っだー、負けた。」
「残念―。」
どうやら相手が悪かったらしい。
「くそー今度こそ。」
何度か相手を変えたが全敗。
彼が相手をしたのは全てCC団のメンバーだった…。
「最後はとる!」
最後の相手は普通のSeeDだ。
「やったー、やっと勝ったぜ。」
「おめでとさん。」
そのころには、すでに10:00になりそうだった。
「今日は疲れたなー。もう俺寮行って寝るわ。」
「おう、じゃ俺らも寝るか。」
「そだな。」
「お休みー。」

「くかー…。」
こうしてこのSeeDに1日は終わった。


悪魔からのしらせ −part 1−

作 ティアマト&レンザ

ルナティック・パンドラのバトル後(雷神・風神、8型BIS、サイファーとアデルのバトル)
時間圧縮が始まり、時間圧縮の世界に入った。
とつぜん目の前に見えていた世が消えて、ディング・シティの大統領官の建物の中に俺達が立っていた。
ここは確か・・・・・イディアを暗殺する時の部屋。・・・・・リノアの話ではいすに体の乗っ取られた時のイディアが座っていた。
と、そのいすの近くによって見ると部屋が白くなり、元立っていたところに戻り立っていた。
そしていすからイディアが5人ぐらい立ちあがり、バトルはっせい。

バトルの後にイディアの家のあたりにいた。
歩きまわりながら考えていた。「いったい何処にサイファーが行ったのか?アルティミシアの城は何処か?」と。
そして外に出て、「今のSeeDが・・・・未来に。」
大きな城が出てきた。城前に白いSeeDが倒れていた。何事?まぁいい。白いSeeDのカタキもとる。
・・・ん?俺達以外にもここに誰かいる。魔女の気配では無い。・・・もっとダークな感じがする。
『悪魔の気配』だ。 城の中に入ろうとしたら、物音がした。ハッと後ろを見てみたら敵では無く、皆であった。
「皆・・・ぶじだったのか。」
「ここ、気持ち悪いネ。本当にここに住んでいるのかな?」とアーヴィンが皆に聞く。さぁ、たぶんね。
「それは関係ない。アルティミシアを倒す。それだけだ。・・・・ここは2つの班に分かれよう。」
2つの班に分かれた後、城の中に入った。アルティミシアの下部によりアビリティが封印された。
封印をとくために下部達を倒した。いくら探してもアルティミシアは見つからない。

ようやくアルティミシアを見つけた。城に入る前の時の『悪魔の気配が』感じる。
「eed。Seed!」 「SeeD SeeD SeeD!」 「いくら魔女を邪魔すれば気がすむ!
あと少しで時間圧縮が完全になるのに!時のかけらになって死ね!誰が先に私と闘う?
まぁいい。どうせここで皆死ぬから選んでやろう!」
アルティミシアか怒り、バトルを仕掛けて来た。手が震えて来た。
オ・・・レ・・・は魔女の・・・騎士。魔女リノアの騎士。アルティミシアがリノアの使って、アデルの封印をといた後からリノアが魔女になった。
いつかイディアが言っていたな。騎士が無い魔女は全滅した。アルティミシア、お前の騎士はどこだ?
・・・騎士・・・サイファー。サイファー!!!!・・・もっと闘いにくくなって来た。ダークな気配がもっと強くなった。
HPが半分になるとG.F.をジャンクションして攻撃してきた。
それは一瞬の出来事だ。知らぬ間に魔女アルティミシアを倒してた。
そらから物事が元に戻り、皆も無事で、俺はガーデンで毎日のように暮らしている。
アルティミシアが戻ってこないように人々が見張っている。
悪い予感がする。
アルティミシアが戻ってくるような気がする。
もし戻ってきたら何を・・・・・・・・・・


ずっと二人で・・・・

作 月神蒼海

「この長い道を歩けばリノアは目を覚ましてくれるのか・・・?」
ふと頭に過る不安。
冷たいリノアの体にかすかに響く心臓の音・・・。
今にも消えそうなこの音がますます不安を増大させる。
「リノア・・・」
ただ一人歩く線路の上で誰にも聞こえないような声でつぶやいた。
ここで「自分で歩け」とつぶやけば、リノアは「優しくない!」と怒って目を覚ますかもしれない。
「自分で歩け・・・」
反応がない。
わかっている。
そんなことはわかっている。・・・・・ただ・・・・・。
ただ、かすかな可能性を信じてみたかった。
そうしなければ自分が壊れてしまいそうだから。
いつも笑っていたリノア。
いつも喧嘩していたリノア。
いつも傍にいてくれたリノア・・・。
「聞いてるか、リノア」
口が無意識に開き、リノアに聞こえるように語り掛けていた。
「俺は・・・一人じゃなかったんだよな」
「俺には・・・・リノアがいてくれたから」
「いつも俺を支えてくれたよな」
一筋・・・涙が流れた。
「今度は・・・俺が支えてやる」
流れた涙がレールに雫となって落ちたその瞬間、リノアが反応した。
「ありがとう・・・スコール・・・・」
リノアが微笑んだ。
それは幻だったのかもしれない。
別に、それでもよかった。
「リノア・・・」
一人の青年が遥か彼方を目指して歩いて行く。
夜が空け、空が朝日に照らされ黄金色に輝いていた。
その景色は二人の未来を暗示しているように見えた。
「ずっと二人で・・・歩いて行こう」


放たれた閃光

作 月神蒼海

高鳴る心臓。
頬を流れる汗。
意識が消えうせそうなほどの緊張・・・。
スコープの先に見えるのは禍禍しい魔力を放つ・・・
「魔女イデア・・・」
手が震え、トリガーが引けない。
「このトリガーを引いたら、僕はもう引き返せない・・・」
反逆者として一生逃亡の身になるだろう。
しかし、彼にはもう一つの不安の方が大きかった。
「ママ先生・・・・」
孤児院での記憶を忘れていなかった彼には、激しい抵抗があった。
いつも笑顔で孤児の相手をしてくれていたママ先生をこの手で撃つことに・・・。
「今は魔女かもしれないけど、ママ先生はママ先生なんだ」
「もし、ママ先生が死んじゃったら・・・・」
「僕が殺したことになるんだ」
「そんなの僕には耐えられない!」
とてもトリガーを引く気にはなれなかった。
しかし、そんなことを考えている暇はない。
標的が徐々にスコープの視界から遠ざかっていく・・・。
「アーヴァイン!何してるんだ!」
同行していたSeedのスコールの一声で現実に戻った。
「アーヴァイン、これはお前にしか出来ないことなんだ。自信を持て!」
「僕にしか・・・・出来ないこと・・・?」
ママ先生を助けること。
それが僕にしか出来ないこと?
「・・・・まかせてよ」
帽子で隠れた顔から涼しげな口元がクールに笑う。
バラバラだった思考のパズルが完成した。
「ちゃっちゃとやっちゃうよ〜!」
その涼しげな笑みからは自信と希望が満ち溢れていた。
「ママ先生は僕が助けるんだ!」
銃声が鳴り響き、銃口からは流星の如き閃光が一直線に飛び立った。
その流星は標的めがけ竜虎の相で襲い掛かる。
「・・・・BANG!」


こんなのもあり?

作 鈴木 英昌

信じられなかった。キスティスが俺の隣にいて、目を合わせて、微笑んで、話を聞いて、手を握っていてくれることが。

俺はイデアの家に居たガキの頃からキスティスだけが好きだった。スコール達みたいにエルオーネに愛されていたいとは望まなかった。
いや、望んでいたのかもしれない。けど同時に恐れてた。自信もなかった。だから望まないよう努力した。

・・だけどキスティスだけは違ったんだ。いつも見てた。俺だけがキスティスの側に居たくて、
キスティスに話し掛けられる奴みんなが憎くて、意地悪してた。優しくて、脆くて、綺麗で、賢いアイツの目に映るのは俺だけでよかった。

だけどキスティスは・・・スコールを見てた。エルオーネの代わりになろうとしてた。

俺はGFを拒んでた。ガンブレードだけで、自分一人の力だけでドラゴンを殺せる魔女の騎士に憧れてたから。
だから記憶を失わなかった。Seedになるためにキスティスとの思い出、そう、本当にたわいも無い片思いだけの記憶でさえも失いたくなかった。

だけどキスティスは俺を忘れスコールに恋した。

そして俺はみんなの敵となり剣を向けた。

全てが解決した後、もうガーデンの奴らの側にはいられないと思った。けど雷神・風神が離れずにいてくれた。それだけで十分だとも思えた。

だけどやっぱりお前は違う。何もかも承知の上で、俺を許して、いつもみたいにフッと笑いながら俺を呼んだ。

「サイファー」


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